Dickies(ディッキーズ)が採用している、T/Cツイル生地が万能素材すぎる件
こんにちは。仕事と家事・育児を両立しながら、古着屋開業を目指す「SWAMP SIDE」佐々木です!
前回のブログではディッキーズの歴史について紹介しました。
https://swampside-usedclothing.com/dickiesの歴史 〜各時代で選ばれ続けてきた世界的ブ/
今回のブログでは、ディッキーズをはじめ、多くのワークウエアのに採用されている
《T/Cツイル》
と呼ばれる生地について書いていこうと思います。
生地には興味ないな…
そう思った人も多いかもしれません…
でも、ちょっと待ってください!
ポリエステルとコットンによる混紡素材、《T/Cツイル》生地の特性を理解すれば、
ディッキーズがリアルワーカーからの支持だけに留まらず、スケーターやファッションアイテムとしても重宝されている理由がわかります。
ファーマルからカジュアルまで、
様々なシーンに対応してくれるディッキーズ製品を支える《T/Cツイル》の特徴について解説していきます。
①そもそもT/Cツイルってどんな生地?
・T(ポリエステル)とは?
・ポリエステルのメリットとデメリット
・C(コットン)とは?
・コットンのメリットとデメリット
・ポリエステルとコットンを組み合わせたT/Cツイルの特徴
ツイル織とは?
・メリットとデメリット
そもそもT/Cツイルってどんな生地?
・T(ポリエステル)とは?
まず、「ポリエステルなのにT?」と思いますよね。
これはテトロンのTです。
ではテトロンって?
これは、イギリスから繊維製造のライセンスを取得した「帝人」と「東レ」
それぞれの頭文字「テ」と「ト」と、ナイロンを組み合わせてできた呼び名が「テトロン」。日本独自の呼び方のようです。
つまりは「テトロン」🟰「ポリエステル」
そのポリエステルとは
ペリエチレンテレフタレートという化学物質を熱で分解してから、紡いだ合成繊維です。
使い勝手が良くて、衣類と相性が良いので、
繊維の素材として採用され始めた1953年から現在まで、世の中の衣類にとってもたくさん使われています。
・ポリエステルのメリットとデメリット
メリット デメリット
・耐久性に優れている ・汚れを吸着しやすい
・シワになりにくい ・熱に弱い
・色落ちしにくい ・硬い
・シワになりにくく、形崩れしにくい
・安価
こんな感じで、手入れがしやすい素材といえます。
・コットンとは?
コットンはワタ(綿花)の種子から取れる繊維のことで、何千年レベルで人類が服に使用してきた、1番身近な繊維ですね。
・コットンのメリットとデメリット
メリット デメリット
・耐久性に優れている ・縮みやすい
・吸水性・通気性に優れている ・シワになりやすい
・熱に強い ・色落ちしやすい
・柔らかい
こんな感じです。
ツイルとは?
ツイルは生地の名前ではなくて、織り方のことを指します。
日本では「綾織」と呼ばれています。
綾織は簡単に説明すると、斜めの織り目が入る織り方です。
デニムを思い浮かべてもらえるとわかりやすいかもしれません。
ツイルの特徴
ツイルは織る糸の密度を調節することができるので、厚みを自由に変えることができます。
伸縮性に優れていてシワになりにくいのも特徴です。
いっぽうで糸同士の密度が、平織りに比べてルーズな分摩擦には弱いです。これに関しては、あくまで比較した場合なので、すぐに破れるというわけではありません。
・ポリエステルとコットンを組み合わせたT/Cツイルの特徴
ポリエステルとコットン、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、この2つの生地を組み合わせたT/Cツイル(ポリエステルとコットンの混紡生地)の特徴について解説していきます。
T/Cツイルのメリット
・耐久性に優れている
・シワになりにくい
・縮みにくい
・色落ちしにくい
・肌触りが滑らか
・ハリ感がある
・安価
これらを総合して比較してみました。
T/Cツイル | ポリエステル | コットン | |
・耐久性 | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ |
・シワ | ⭕️ | ⭕️ | ✖️ |
・縮み | ⭕️ | ⭕️ | ✖️ |
・色落ち | ⭕️ | ⭕️ | ✖️ |
・肌触り | △ | ✖️ | ⭕️ |
・耐熱 | ⭕️ | ✖️ | ⭕️ |
・吸水性 | △ | ✖️ | ⭕️ |
・通気性 | △ | ✖️ | ⭕️ |
・価格 | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ |
上の比較表からも分かる通り、T/Cツイルはポリエステルとコットンが手を組んで、
「互いの長所は活かして、短所は補い合う生地」。
理想の職場や夫婦(パートナー)のような生地といえますね。
T/Cツイルのデメリット
では、上の[比較表]のT/Cツイル列の△になっている特徴に関してですが、
吸水性と通気性は、ポリエステルが入っている分、コットン100%に比べて劣ります。
ただ、これを働く現場で着るものとして考えた場合、
吸水性が劣る=ホコリやゴミなどの汚れがつきにくい。
通気性が劣る=快適さよりも「安全第一」
メリットと捉えることができます。
肌触り関していうと、新品で買った場合に、はじめはゴワゴワ感じるかもしれません。
ただし、タフな生地で取り扱いがとてもイージーな分、洗濯もガシガシできます。ワーカーのように日常使いすれば、柔らかくなってきます。
まとめ
これまで、T/Cツイル生地の特徴を説明してきました。
熱に強くて、耐久性が高いのでタフな環境に適している
縮みにくく、シワにもなりにくいので、日々の管理に気を使わない
安価なので買い足しやすい
つまり、ワークウエア用の生地としては素晴らしすぎるということです。
そして、これを転倒や擦ったり局面が多いスケーターが好むのも納得ができますね。
ちなみにですが…
僕が20年前に購入したディッキーズ「874」もいまだに現役で活躍してくれています。
とってもラフに着用していますが、多少の変色や摩耗はあっても破れもなくて大きなほつれもありません。流石です!
どうしても汚れやダメージと付き合いが多くて、頭を悩ませることが多い、古着屋でも取扱が多いことも納得できますね。
それではまた!