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Dickiesの歴史 〜各時代で選ばれ続けてきた世界的ブランドの100年ストーリー〜

こんにちは。

仕事と家事・育児を両立しながら、古着屋開業を目指す「SWAMP SIDE」佐々木です!

ディッキーズといえば、ワークウエアとしてもファッションアイテムとしても、世界中で愛される大ブランド。

ワークウエアは日々進化していくもの。ファッションというのは時代によって移り変わっていくものです。

リアルワーカーからの確固たる支持を集めているうえに、ファッションアイテムとしても世界中から認められている。40年代には政府からの依頼を受けて、アメリカ陸軍の制服の制服に携わりました。そんなディッキーズが創業から100年以上経ったいまでも、僕らから選ばれ続ける理由とはなんなんでしょう?

この記事では、ディッキーズの

  1. 1918年〜1940年代《創業から政府公認のブランドに至るまで》
  2. 1950年代《全米から世界へ》
  3. 1960年代〜現在《労働着からファッションアイテムになるまで》

の3段階に分けて、ディッキーズが歩んだ歴史を、当時の社会状況も交えながら書いていきます。

1918(創業)〜1940年代

ブランドのはじまりは、1918年。アメリカ、テキサス州のフォートワースで、従兄弟同士でもあるC.N.ウィリアムソンとE.E.ディッキーが《U.S.オーバーオール社》を立ち上げました。

・狂騒の20年代で大きく発展

[出典https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%82%E9%A8%92%E3%81%AE20%E5%B9%B4%E4%BB%A3

ほどなくして迎えた1920年代。アメリカはのちに「狂騒の20年代」と呼ばれるほど、経済的にも文化的にも、あらゆる面で変化を遂げる時代が到来しました。これは世界経済の中心がヨーロッパ各国からアメリカへと移り、その後、これまで続くアメリカの地位確立の礎になったのです。

 経済成長によりあらゆる産業は大きく発展。それによる労働者人口の増加に、チャンスを感じた創業者の2人は、1922年に社名を《Williamson-Dickie Mfg.CO ウィリアムソン−ディッキー製造会社》に変更して、一気にワークウエアの製造の乗り出しました。

・国中の労働者からの情報収集

創業者の2人は、製品づくりのヒント獲得のために、国じゅうの鉱夫や農夫の話を聞きに自らの足でまわって歩きました。働き手が持つ、ワークウエアに対するあらゆる悩みや問題点の情報収集を行うことで、徹底的に労働者のニーズに寄り添った製品づくりに役立てました。

この熱心な姿勢が、地元テキサスの現場で働く労働者たちからの熱い支持を獲得。その後、産業拡大の波に乗って、国中へと広がっていったのです。

・「874」の原型モデル「KHAKI」を発売

社名を変更した翌年の1923年。その後に「874」とモデル名を変更して、今なお世界中で売れ続けているディッキーズの定番パンツの原型「KHAKI」を発売しました。

こうした確かなものづくりで、国中へとから製品への信頼を獲得していた《Williamson-Dickie Mfg.CO ウィリアムソン−ディッキー製造会社》は、1930年代に起こった世界恐慌にも耐えるほどの会社へと成長していました。

・政府公認のブランドへ(1940年代)

大恐慌時代も乗り越えた《Williamson-Dickie Mfg.CO 》は、第二次世界大戦時の1940年代に、アメリカ陸軍制服の製造を政府から依頼されました。その数はなんと900万着。一時は工場をフル稼働しても生産が追いつかなかったので、一般ユーザー向けの生産も停止するほどでした。

軍からの要請を受けるということは、国から会社も製品も認められたということになります。政府公認の実績は、一般ユーザーにとっては「このブランドのものづくりなら間違いない」というメッセージにもなり、広告としても効果は絶大。これはブランドのさらなる飛躍への大きな契機にもなりました。

1950年代

・実績と信頼をひっさげて、広告戦略を打ち出す

創業当時からの労働者に寄り添った変わらぬものづくりへの姿勢と、軍への支給品を製造したという政府公認の実績を得たディキーズは、1951年に『物作りに関わる男達』をスローガンに一大広告戦略をに打って出ました。

[出典:https://www.dickies.jp

掲げたスローガン通り、当時の広告には“働く男”をモチーフにしたものが多く、これがアイコン的な存在になったのです。

広告に登場する“働く男”は、職業を絞らずに様々な職業のパターンを提案。加えて、その体型も変化させました。それは特定の環境の労働者ではなくて、労働者全般にフォーカスするというディッキーズのポリシーでもあったのです。

この戦略があたり、ディッキーズのつくるワークウエアは幅広い労働環境に身を置く労働者たちのあいだで、さらに浸透していったのです。

そうしたなか、1954年に『FIT YOU,FIT YOUR JOB(あなたにも、あなたの仕事にもフィットする)』と掲載した広告を発表。これは現在でも続くブランドポリシーでもあり、その後にファッションシーンへ進出を遂げたディッキーズの想いを簡潔に表した秀逸なキャッチコピーとなりました。

[出典:https://www.dickies.jp

・人気は世界へ

多種多様な労働者に適応したディッキーズのワークウエアは、地元テキサスのオイルワーカー(石油労働者)たちにも大ヒットを飛ばしました。その要因のひとつが、ディッキーズが採用した〈T/Cツイル〉という汚れがつきにくくて頑丈な特殊な生地です。

この汚れのつきにく生地は、赴任先の中東でも話題に。そこが起点となって、ヨーロッパへも徐々に広がっていきました。

1960年代〜現在

・生産拠点を海外へ

ヨーロッパへも広がりをみせるなか、1960年にディッキーズは生産拠点を国内のみならず、カリブや南米にも展開しはじめました。

・アイビー旋風の到来で、ファッション界でも認知

1960年代のアメリカは、1950年代の戦後好景気も落ち着き始めて、新しい日常が浸透していった頃。これまで、労働者向けの製造を行っていたいくつものブランドが、ファッションシーンへの進出をスタートさせたタイミングでもありました。

ボタンダウンシャツにチノパン(コットンパンツ)でウイングチップシューズを合わせる。休日はポロシャツにチノパンでカジュアル感を演出。この“アイビースタイル”と呼ばれる、アメリカ東部の名門8校の在校生やOBが品のあるファッションを着こなして過ごすキラキラした日常は、全米の若者の憧れのマトになって、一大ムーブメントを巻き起こしました。

これはファッションにおける流行の起点が、ティーンエイジャーへと移り変わっていくタイミングでもあったのです。

・名作「874」発売

アイビースタイルがファッションの中心だった1967年に、ディッキーズは創業当初から販売していた「KHAKI」を原型とした「874」を発売しました。

すでに知名度を十分に獲得していたディッキーズが発売した、太すぎず膝下ストレートのオーソドックスなチノパンが、アイビースタイルに身を包む若者たちにも受け入れられるるのは必然でした。

・70年代に、さらにファッション業界への展開を拡大

1960年代後半、ベトナム戦争の長期化に不満を抱く若者の間で徐々に反体制、自由主義思想が芽生えていった頃、アイビースタイルとは真逆の、自由でカラフルなファッションに身を包んだヒッピースタイルが台頭し始めました。

・時代に迎合したデザイン性の高いアイテムを展開

[出典:https://www.dickies.jp

1970年代には、髪も髭も伸ばして、フレアパンツに身を包むヒッピースタイルが流行の中心に。60年代にアイビーリーガーたちにも受け入れられたディッキーズは、ワークウエアの製造と並行して、時流に沿ったデザイン性の高いファッションアイテムも発売しました。また、ヒッピーたちのカラフルなファッションに合わせて、色の展開を増やしていったのもこの頃です。

・ストリートカルチャーと交差

60〜70年代を経て、若者からの支持も獲得したディッキーズ。

80年代後半から90年代にかけて、ロサンゼルスのヒップホップシーンでは、ディッキーズのワークパンツは必須アイテムに。

同時期には、ワークウエアの特有の強度と足捌きの良さから、スケーターがこぞってディッキーズを着用し始めました。

特に90年代以降は、衛星放送やインテーネットの普及による情報スピードの加速化が進んだころ。各シーンのアイコンと呼ばれる人々が、ディッキーズを着用した姿を目にした若者たちがこぞってファッションに取り入れました。

2000年代以降から現在まで、ワークウエアというスタンスも維持しつつ、ブランドとのコラボアイテムなどを積極的にすることで、よりグローバルで身近なブランドへと成長していきました。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は創業した頃の1920年代から現在に至るまで、その時の社会背景も交えながら、ディッキーズの歴史を振り返ってみました。

創業者の2人が、アメリカ国内のあらゆる工場をまわって調査した知見を、商品に反映させた、徹底したユーザーファーストの姿勢。

時代ごとに、ディッキーズがつくる製品を必要としている人々のところへと、適切に届ける。そして必要としていた人々からは、ちゃんと選ばれてきました。

『FIT YOU, FIT YOUR JOB』

1957年に掲げた、ブランドの背骨ともいえるのキャッチコピーは、言い換えれば『誰にでも、どんな仕事にでも』提供するということ。

ディッキーズというブランドを端的に表すとても秀逸なキャッチコピーですね。

それでは、また!

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